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国立科学博物館「大英自然史博物館展」見学記 [日記]

2017年3月18日より6月11日まで、上野の国立科学博物館で「大英自然史博物館展」が開催されるということで、開幕直後の3月20日と、あと5月20日にも行ってきました...

こちらは3月20日に撮影したもの
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大英自然史博物館(ロンドン自然史博物館)は、イギリス、ロンドンにあり、かつては大英博物館の自然史部門だったものが独立して現在に至ります。博物館には8000万点もの収蔵品があり、その中には地球上の生物学研究には重要な発見に関わる標本も所蔵されています。今回はこの中からイギリスの貴重な至宝として約370点が上野に運ばれ展示されました。

Natural History Museum
http://www.nhm.ac.uk/

展示の内容としては、最初に展示品のなかから選りすぐりのものをお宝として紹介、そしてメインは、大英自然史博物館のなりたちを創設期のころから辿りながら、地学や生物学上重要な発見を、発見した人物や標本、著作物などで知ることができるような構成となっていました。

たとえば、こちらはオーデュポンの鳥類図鑑に描かれたショウジョウトキとイヌワシ。基本的に鳥が実物大で描かれていて、ネットでも見ることができますが、本物は迫力が違いますね。
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こちらはブラシュカ(父子)によるマダコのガラス模型で、当時標本にすると失われてしまっていた動物の色彩を保存する方法として使われていた手法だそうです。
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また、1881年の大英自然史博物館開館の時に展示されたハチドリの剥製が展示されていました。木の周りに6種類+1種類のハチドリが複数置かれていて見事です。
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展示品の中には他にも鳥の展示も多く、絶滅した鳥、モアを発見した時の話が興味深かったです。最初に発見されたのはわずかな骨で、それを他の動物とは違うことを調べ、鳥の骨であることを見出したということです。
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そして、今回の目玉の一つ、始祖鳥の化石です。ロンドン標本この2枚は1組で、上の化石の反対側が下の化石で、石版画の石板として採取される地域で発見されたということです。これが本物の化石かと思うほど鮮明に掘り出されていて形態をよく残しています。始祖鳥の化石は人気があり、見学のための列ができていました(会場側で列を作っているわけではありません)。ちなみに地球館の1階に実際に触れるレプリカがあります。
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それから、イギリスの軍艦を利用して、まだ知られていない生物を探究する航海で得られた標本などの展示もありました。

一人はダーウィン。言わずと知れた種の起源を書いた進化生物学者で、その種の起源の直筆草稿や、生物の進化に気づく発端となった、ビーグル号での航海、ガラパゴスフィンチの仮剥製もありました。またダーウィンが飼育したガラパゴズゾウガメの標本も残されていました。
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もう一人は生物地理学でよく知られたウォレス。海峡などで地上の生物相が大きく変化する場所に引く線を分布境界線といい、インドネシアでの生物研究に基づいて、動物相が変化している場所に線が引かれました。その根拠となる仮剥製も展示されていました。
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また、悲劇の南極探検家として知られているスコットの展示もありました。いくつかの隊が南極点を目指し、ノルウェーのアムンセンは人類では初めて南極点に到達し帰還したのに対し、今回、展示されている、海軍大将であったスコットは遅れて南極点に到達するも、2回目の探検の帰路で遭難したことは良く知られています。
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他にも収集された当時のラベルやメモが残された標本、当時からしっかりと記載がされていたことがすごいことだと感じました。


さて、自然史の研究は、地球上の自然のモノ自体をどうとらえて、またそれぞれの似たもの同士を比較しどう結びつけるか、といった興味で発展していったと言ってもよく、今回の展示は、その礎となる標本などが博物館に保存されているというのがよくわかりました。

今回の展示の見方のひとつは、大英自然史博物館ができ、現在に到るまでに関わった人物の歴史という視点です。博物館のコレクションの元になったものから、大英博物館の自然史部門、現代の自然史のマイルストーンとなる重要な人物の歴史をたどることは興味深いと思います。なぜ、イギリスにこれだけのものが集まることになったのか、大航海時代や博物学ブームがおこった社会的背景などを考えて見てみると、なるほどそういうことかと思うこともあるでしょう。

そして、もうひとつは、モノをどう捉えるか、です。今となっては当たり前になった知識や知見がどのようにして「そうだ」とされてきたかを考えることもできるでしょう。ありとあらゆる生物は、かつては神が作ってきた、天体は神が動かしてきた、と信じられてきたわけですが、様々な標本は、進化や地学の歴史を証明してきました。そのようなものがこの博物館にあり、現在でも活用されています。

また、あってはいけないことですが、科学的な発見を捏造することが稀にあります。議論がされている中での証拠の発見は重要なことですが、それが本物かどうか見極めることはしばしば難しく、傍証を揃え、常に最新の技術でそれが本物かどうか、良い意味で批判的であることを忘れてはいけないということも教えてくれます。

それから、失われてしまったものや身近な生物も収集・保存していく博物館の機能という点は忘れてはいけません。ドードーやニホンアシカなどの近代に絶滅した生物や、現代に見られる生物の収集と研究を続けている様子もみることができました。

なにしろ、来館者の多くは自然科学者ではないので、至宝と称して果たしてどのくらいの価値を感じてもらえるかは人それぞれだと思いますが、現在の地学や生物学の発展の一端を担っているということはよく分かるのではないかと思います。

博物館の資料は美しさや貴重さを鑑賞するものというだけでなく、それが知識を深めたり議論の対象となることも重要だと感じました。

会場のミュージアムショップでは図録が販売されています。ハードカバーで内容も充実しているので、入手してじっくり復習するのをお勧めします。
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それから、ミュージアムショップで販売されていたツバメノートのシソチョウノートがちょっといい感じだったので購入しましたw
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